歩道橋

昨日は、家の近所の橋によって便利になった事を書きました。
橋だけでなく、道路や電気・ガス・水道など、インフラ整備で生活が楽になったと思います。

よく、年配の人は昔は良かったと言いますけど、私はそうは思いません。
私も、そこそこ年をとってきましたが、世の中は良くなっていると思います。
もちろん、すべてが良くなっているとは思いませんし、良かった物が失われてしまった例もありますが、相対的にみると良くなっているでしょう。

よく、古代の遺跡に「今の若者はなっとらん・・・」みたいなことが書かれていると言います。
そういえば、ファッションについても、明治のバンカラ、大正のモボ・モガ、60年代のヒッピーとか、いつの時代もだらしないと言われたものです。
人間の脳には、辛い記憶などにいつまでもとらわれないように、過去を美化する作用があるそうです。
だから、美化された昔と比べて、今は良くないと思ってしまうのでしょう。

私も子供の頃は良い記憶ばかりなのですが、よくよく冷静に思い出してみると、不便だったし、不衛生だったですね。
確かに、人間関係は今の方が希薄になったと思いますが、その分昔はプライバシーは無かったし、もちろん喧嘩やイジメもありました。
母なんかの事を考えると、女の人は、まだ地位も低い扱いだったし、家事も大変でしたね。

昔より今が良くなっているのは、大勢の人が良い世の中にしようと努力したためだと思われます。
もちろん、人間がすることですから、上手くいかないことや、誘惑に負けることもあり、場合によっては、昔より悪くなることもあります。

昨日は、橋で便利になった事を書きましたが、上手くいかなかった例として歩道橋があります。
私が子供の頃に、歩道橋があちらこちらに建設されました。
でも、今は新しく建設される事はほとんどありません。

先日閉店した渋谷東急プラザの前の歩道橋のように、大勢の人が使う歩道橋もありますが、大抵の歩道橋は利用する人がほとんどありません。
遠回りをしてまでも、横断歩道を渡る人が多いのです。
(なかには、危険を冒して車道を横切る歩行者も)

昔の人は足腰が強かったので、階段をそんなに苦にしていなかったのですが、今はエスカレータやエレベータが普及したし、交通も整備されて、歩く距離も減ってしまいました。
だから、階段の昇り降りがつらくなってきたのでしょう。
それに、建設当時は、子供が増えていたので、学生の登下校の安全が主目的だったのですが、今は子供が減って、逆に歩道橋が使えない高齢者が増えてしまいました。
そんなわけで、交通の妨げになる事もあり、歩道橋の撤去が増えているそうです。
枡添都知事が、東京に歩道橋はいらないと言ったとか・・・

もちろん、歩道橋のすべてが悪い訳ではありません。
東急プラザ前の歩道橋のように、大勢の人に使われて役立っている物もあります。

個人的には、歩道橋の上から眺める風景も好きなのですが・・・