仁川上陸作戦とマッカーサー

昨夜、池上彰の新しい番組「池上彰の現代史を歩く」というのが始まりました。
池上彰のニュース解説などの番組は沢山あり・・・ちょっと食傷気味でしたけど・・・実際の現地を取材した企画は、ちょっと新鮮でした。

記念すべき第1回目は「北朝鮮問題はなぜ起こったのか?朝鮮戦争はまだ終わっていない!」というタイトルで、韓国内や国境の板門店など取材していました。
解説では、すでに知っている歴史事実も多かったのですが・・・現地取材だけあって、新たな事実も知れて面白かったです。
例えば、冷麺は朝鮮戦争陰で、韓国でも食べられるようになったとか、冷麺の原料となる芋が北と南では異なっている事など・・・なるほど、と思いました。

また、仁川上陸作戦の記念館に日の丸が飾られていたのも驚きでした。
在日朝鮮人で従軍した方へ、友人たちが贈ったものだそうで・・・私は、そういう人の存在を知りませんでした。

その記念館に展示されていたのが、マッカーサー元帥の銅像・・・朝鮮戦争とは、ちょっと離れますが、番組では、マッカーサーの人生についても取り上げていたのが興味深かったです。
エスト・ポイントでのマッカーサーアイゼンハワーの比較など・・・成績はマッカーサーは首位でアイゼンハワーは中の上ぐらいだったけど、大統領になったのはアイゼンハワーだったとか・・・
個人的には、アメリカ人は無意識に、アジア人を下にみる傾向があるため、欧州戦線で成果を上げたアイゼンハワーの方が、太平洋戦争で成果を上げたマッカーサーより評価が高いのではないか?なんて思っているのです。

そういえば、マッカーサー回顧録で、何度も兵員の増強を要請したのに、みんな欧州戦線にまわされてしまったなんて事を書いていました。
ちなみに、兵力不足のマッカーサーがとった戦略は・・・広範囲に太平洋の島々を面で押さえている日本軍に対して、兵力を集中し、ピンポイントで敵の後方の拠点を落とし、前線の日本兵の補給を断つというものでした。
飢えに苦しんだ日本兵は、物量の豊富さでアメリカに負けたと思っていましたけど・・・実は、アメリカ軍の方が戦力不足で、マッカーサーの戦略に負けたというのが真相らしいです。

おそらく、朝鮮戦争のターニングポイントとなった仁川上陸作戦は、国連軍内に反対意見も多かったそうですが、この日本軍との戦いの経験を活かしたのだと思います。
このような戦略をみると・・・流石に、ウエストポイントで主席だっただけあって、マッカーサーって凄いと思うのです。

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マッカーサー 大戦回顧録」 ダグラス・マッカーサー著 津島一夫訳 中公文庫