人工知能

先ほど、藤井4段が竜王戦で増田4段に勝ち、前人未到の29連勝を達成したそうです。
将棋と言えば、昨日のNHKスペシャルは「人工知能 天使か悪魔か 2017」というタイトルで、佐藤天彦名人が人工知能のポナンザと戦った電王戦を取り上げていました。

結果は、人工知能の圧勝で・・・佐藤名人によれば「こちらがはっきりした悪い手をやっていないのに いつの間にか悪くなっている、本当に底力を見せつけられた」という事で、「かなり人間よりも将棋の神様に近い側にいるんじゃないかな」という印象だそうです。

ちなみに、ポナンザを作ったのは、天才プログラマーといわれる山本一成氏で・・・ここまで強くなったのは、機械学習によるもの・・・つまり、教師データとして5万局の棋譜を読み込んで解析し、さらに自己対戦を700万局行って、人間が発見していない未知の戦局を発見しているからだそうです。
こうなると、生みの親の山本一成氏にとっても、もう、なんで強くなりつつあるのか判らない、という状況だとか。

ちなみに、羽生善治氏によれば、人間の棋士同士の対戦で新たな手を知るのに比べると、「シャベルとかスコップで掘っていたのが、いきなりブルドーザーで一気に開拓していく感じがある」という事だそうです。
そして「この電王戦は、単なる将棋界の一出来事ではない、社会全体の未来を先取りしている」という様に感じたそうです。

番組では、人工知能の進出状況として、タクシー会社によるお客を拾うルートの分析、証券会社の株価予測システム等を取り上げており・・・中でも、人工知能によって、人の人生を左右するような事例として、シンガポールのバス会社が事故を起こす運転手を予測する事例や日本企業による離職する社員を予測する事例、そして、アメリカの裁判所による受刑者の再販リスクの予測等があり・・・さらに、韓国では人工知能による政治家の開発に取り組んでいるそうです。

しかし、人工知能は、なぜそう予測したのか理由を示さないため・・・もし人工知能が間違った判断をした場合、誰が責任をとるのかという問題があるそうです。

やはり、人工知能を神として、その予測を盲目的に信じるのではなく、人工知能は道具として扱い、その予測を参考にして人間が判断するようにすべきでしょう。

また、人工知能が仕事を奪うといった事を懸念する人がいますが・・・これまでも、新しい道具が出来るたびに、それによって仕事を奪われる人はいました。
しかし、それと同時に、新しい仕事も生まれていたのも事実です。
人工知能を使いこなすような仕事が、これから登場するのではないでしょうか?