ジミー・ペイジとスーパー・ビートル

以前も取り上げたのですが、ギターマガジン総集版の「ジミー・ペイジ」について、気になる点があります。

「VOX製AC100、通称スーパービートル」(68ページの写真解説)と書かれていますが、もちろんAC100とスーパー・ビートルは別の機種です。

おそらくスーパー・ビートルを使っている写真が無かったので、本文のインタヴュー説明のため苦し紛れにAC100の写真を載せたのでしょう。

 

実は、以前からジミー・ペイジはスーパー・ビートルの使用について言及していますが写真等がなく、都市伝説的な扱いになっているのです。

レッド・ツェッペリンのツアー等で使われたVOXのUL7120の事を、勘違いしてスーパー・ビートルと言っているのだろう・・・という説もあります。

 

ちなみに、ギターマガジン総集版「ジミー・ペイジ」の21ページ写真の解説で、VOX UL7120と書かれているのは、左側4インプットだしコントローラーが7個なので、HIWATTのCUSTOM100です。これもUL7120の写真が無かったからでしょうか?

 

さて、ジミー・ペイジの話(68ページ)によると、スーパー・ビートルはポール・サミュエルスミスがヤードバーズを脱退した時に機材を置いて行った。

ビートルズがライブで使っていた・・・ビートルズはUL7120も使っていますが、全米ツアー等で使ったのはスーパー・ビートルで、UL7120はイギリスのスタジオ等で使われています。

実は、ジミー・ペイジがポール・サミュエルスミスと代わってベースを弾いている72ページの写真に写っている台形のアンプがスーパー・ビートルなのです。

 

また、Whole lotta loveの説明(82ページ)で、ソリッド・ステート・アンプとかアンプのディストーションを使ったとも言っています。

イギリスでVOXを作っていたJMIはアメリカでのVOX製造&販売のトーマス・オルガン・カンパニーと共同でトランジスタのプリアンプを開発・・・そのプリアンプにJMIが真空管パワーアンプを組み合わせて作ったハイブリット・アンプがUL1720なのです。

一方、トーマス・オルガン・カンパニーがトランジスタパワーアンプを組み合わせて作ったフル・トランジスタ・アンプがスーパー・ビートルなのです。

(両者ともディストーションが組み込まれています)

でも、UL7120は後ろからみるとデカいKT88真空管が4本見えるし、スタンバイがあるので・・・これを真空管アンプと間違えるならともあれ、ソリッドステート・アンプと間違える訳はないですね。

 

という訳で、レッド・ツェッペリンⅡで使われたのはスーパー・ビートルで、それとは別にツアー等でUL7120も使ったのだろうと推測しています。

 

VOX スーパー・ビートル

 

VOX UL7120

VOX UL7120 背面



VOX AC100

 

HIWATT  CUSTOM100